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第176号 2005年10月26日発行

京都府京都府伝統と文化のものづくり産業振興条例の制定

京都府では,日本の伝統と文化を支え,世界に誇る府民の貴重な財産である京都の伝統と文化のものづくり産業が,伝統的な技術・技法等を保存・継承しながら,伝統を生かした生活文化を創造する産業として発展することが期待されていることから,その振興を図るため,「京都府伝統と文化のものづくり産業振興条例」を制定致しました。

 府内には,京都に都が置かれていた近世以前から続く多くの伝統的なものづくりが,今も盛んに行われています。これらのものづくり産業は,かつては日本の最先端産業であり,その時々のニーズに最新の技術で応えるという現代産業と変わらない過程を歩みながら発展してきました。

 また,明治以降,日本における近代産業の多くがこれらの産業の技術・技法を改良・発展させながら生まれ,現在の私たちの生活に多大な貢献をしてくれました。
ところが,生活様式の変化に伴い,以前の「古き良きもの」が私たちの身の回りから姿を消していくとともに,それと密接に結びついてきた伝統と文化のものづくり産業への需要も低迷するようになりました。

 そして,1世紀以上を経た今,ようやくかつての「古き良きもの」を見直そうという動きが出て来ました。国際化が進む中で日本人としてのアイデンティティを確かなものとするためにも,日本の伝統的な生活文化,それを支える様々な工芸品,更にはそれを生み出す伝統的な技術・技法を守り,育て,広げようという気運が高まってきたのです。

 ところで,この条例には次の4つの大きな柱があります。

1  伝統と文化のものづくり産業を,京都の伝統と文化に育まれ,伝統的に使用されてきた素材,技術又は意匠を用いて伝統と文化を支えるものを作り出す産業と定義し,従来の伝統産業よりも広い概念を有していること。
2  この産業を守り,育て,広げる主体としての府,事業者及び府民が果たすべき役割を明確にし,人づくり,ものづくり,環境づくりに取り組むこととしたこと。
3  この産業の振興を図るため,使い手である府民を中心に府,事業者が一体となって工芸品等の愛用運動などに取り組む推進組織を整備することとしたこと。
4  人づくり,ものづくり,環境づくりを推進するため,「京もの指定工芸品」「京もの技術活用品」の指定,「京もの認定工芸士」「京の名工」の称号の授与,伝統と文化のものづくり産業の集積等による振興を図るための補助金等の施策を明記したこと。
 こうした施策をはじめとして,今後,京都府では小規模な事業者が多いという産業特性や伝統的な技術等を保存・継承する職人さんの役割の重要性に配慮しつつ,この条例に基づく様々な施策を展開していきたいと考えています。