メールニュース

第509号 2012年11月14日発行

島本町子どもに対する予防教育プログラムについて

島本町の町立保育所では,翌年に就学を控える5歳児を対象に,オーストラリアで開発された子どもに対する予防教育プログラムを取り入れています。 
 このプログラムは,授業への集中,日常活動への適応など保育所から小学校へスムーズに移行できることを目的としており,オーストラリアでは学校や病院,保健所,相談所などで取り入れられ,イギリス,カナダ他17ヶ国以上でも実施されています。

 全国的な傾向ですが,複雑な養育環境を背景として,自尊感情を欠き,良好な対人関係ができない子どもが増えていることから,保育所等のクラス運営に支障が生じることも少なくないようです。また,家庭内でも同様に親子関係が構築できず,保護者の育児ストレスにつながることで様々な問題が起こっています。

 このような背景において,プログラムを受けた子どもたちは「困難を跳ね返す力が養われる」,「うまく人と付き合っていくために必要な社会的,対人的なスキルが獲得できる」,「自分自身を大切な存在であると認識できる」などの効果が確認されています。子どもの心の成長が望め,家庭での実践によって問題行動も抑制されることから,よりよい親子関係の構築が可能となる親支援プログラムともなっています。また,様々な背景を持ち健やかな育ちに課題を抱える児童や,親子の関係などから虐待リスクのある家庭にとっても,子どもたちに本来,備わる能力を伸ばすことで,問題が重篤になることを防ぎ,改善を図ることができるものです。

 町立保育所では,本プログラムを日常の保育に活用するため,日本で展開している団体からトレーナーを招くこととしました。具体的には,45分間の保育の中でぬり絵やうちわ,歌やダンス,ゲームなどの手法を用いてのセッションを行うことにより,問題解決など様々なスキルを学ぶもので,1週間ごとに2ヶ月間かけ8回にわたり実施します。例として,表と裏に赤・緑の色を付けたうちわを用い,子どもたちにストレスを感じるような場面を想像させ,その気持ちを表現させ(うちわの赤の面を表示),「うちわの緑の気持ち(落ち着いた気持ち)にするにはどうすればよいか。」を問いかけることで,対応する方法を学ぶセッションを行っています。

 町立保育所でこのプログラムを始めて以来,園児は,プログラムを楽しみにし,家庭や友達と「どんな気持ちか」を話しあうことでストレスへの対処法を学習するなど,大きな効果が表れてきています。
 本年度からは,町立保育所だけではなく,民間保育所においても導入され,本町から助成を行っています。

 本プログラムを通して,本町の子どもたちが,困難に立ち向かい,自己肯定感を持って強く成長していくことを願うものです。