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第233号 2007年01月26日発行

京都府源氏物語千年紀事業について

「源氏物語」は,「紫式部日記」の寛弘5年(1008)11月1日の記録に,「源氏物語」の巻名や登場人物に関する記述があり,歴史上「源氏物語」が書かれていることがうかがわれます。平成20年(2008)は,この時から数えて一千年に当たり,これを「源氏物語千年紀」としています。

 紫式部が活躍した千年前(11世紀初頭)には,世界的にも多くの女流文学者が活躍しましたが,とりわけ紫式部は群を抜いた存在であり,これまでになかった大長編の物語を執筆しました。物語の中でも多くの女性が登場し,まさに世界的な女流文学作品です。

 また,当時これほどの内容とレベルの高さをもった小説が誕生しておらず,世界最古の長編小説といえます。
「源氏物語」は,物語自体も多彩な登場人物とともに,豊かな構想力,流麗な表現力など,美しい日本語で表現されており,日本文学史上の代表的な作品となっています。

 さらに,本居宣長はその著作「源氏物語玉の小串」の中で「源氏物語」の根底には「もののあはれ」があると述べていますが,「源氏物語」は日本人の心の在りようを問いかけ続けてきました。
現代に生きる我々にとって,「文学とは何か,生きるとは何か,人間とは何か」という永遠で普遍的な問題を,いまなお強く訴えかけてくる力を持っており,時代や国境を越えて,世界的にも多くの読者を得るなど,一級の価値と魅力を有しています。

 「源氏物語」は,このように卓越した文学作品であるにとどまらず,その後の時代における文学はもとより,美術・工芸・演劇・音楽などの芸術諸分野,茶道・華道など日本人の生活文化等にも深い影響を与え続け,現代も,その光彩を放ち続けています。

 昨年11月1日に,我が国を代表する有識者から,内外の個人・団体・企業・行政機関に対し多彩な記念の取組を展開されるよう「よびかけ」が行われたことを受け,京都府では,京都市,宇治市,京都商工会議所等と連携して,源氏物語千年紀事業を推進したいと考えており,関係各方面におかれても,積極的に取り組まれることを期待しています。