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第111号 2004年03月24日発行

美山町担い手養成実践農場を訪ねて

美山町では平成15年10月より,新規就農者を支援し養成する『担い手養成実践農場』の取組がスタートしています。

 これは京都府が平成14年度から行っている事業で,現在,府内で2市7町にわたり14か所の実践農場が設置されています。

 農業に意欲をもつ新規参入希望者を迎え,実践農場を整備して実践的な技術や経営研修を実施するとともに,地域社会との交流の中で信用力を高めます。2年の研修期間終了後,地域内での円滑な就農を目指します。新規就農希望者の定住を地域ぐるみで受け入れて技術研修から就農まで一貫して支援し,地域における農業の中核的担い手を育成していくシステムです。

 制度の特徴は「担い手づくり後見人」と「実践農場指導者」の設置です。地元の方々にこの役割を担っていただくことで,地元住民が深く関わる支援体制が整えられ,より地域に密着した研修が実現します。「実践農場指導者」は就農希望者に研修作目の栽培・生産方法から販売方法,更には農業経営全般にわたっての技術,ノウハウを指導し,「担い手づくり後見人」は研修生が地域にうまくとけ込めるように,地域と研修生の調整役となります。

 町内の実践農場では後見人や指導者の選任,集落や農事組合など地域の受け入れ体制を整備するため,1年ほどにわたって幾度となく地元協議が重ねられ,導入へとこぎつけました。

 宮脇実践農場の“担い手づくり後見人”として関わっている中島慎司さん(宮脇)は「地域では独居高齢家庭の増加が深刻で,農地保全は差し迫った課題。そこへ今回の事業が持ちかけられたため,集落での受け入れはスムーズでした。放りっぱなしだった田畑が見る見る耕され,緑の野菜が成長する。そこに働いている若者の姿を見ることは,地元としても力強いことです。」と語ります。過疎の地域の農業を担う若者を育てる事業に,地元の期待は大き
いものがあります。

 また一方では,後見人の二人は研修期間を終え独立するときの厳しさを指摘します。2年後に農業後継者として地域に定住することが事業のねらいですが,営農面だけでなく生活の上でも将来にわたる定住の困難さは厳然とあります。

 慎司さんは,後継のプレッシャーが計り知れないことも指摘し「地域としては,緩やかに見守りたい。」と話します。

 複雑,深刻化する農業後継問題を乗り越える方策として地域の展望を見出し,それが同時に若者の未来にも可能性が見える取組になることが強く求められています。